三環系抗うつ薬について
作用機序 | 次の作用が知られているが、どの作用が夜尿症に対して有効かは不明。 尿意覚醒を促進する作用、抗コリン作用、尿量減少作用など |
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投与方法 | 各薬剤とも初回投与量は10mgとし、夕食後、または就寝前投与で開始する。 体重25kg未満の場合は20mg、25kg以上の場合には25~30mgに増量する。 |
効果 | 有効率は、日本では43.1%、海外では50%前後と報告されている。投与中止後の再発が多く、長期の有効率は17~25%という報告がある。クロミプラミン塩酸塩※、イミプラミン塩酸塩※、アミトリプチリン塩酸塩の順序で効果が強い。 |
副作用 | 食欲不振、悪心、嘔吐、不眠、眠気など |
留意点 | 重篤な血液、肝障害を引き起こすこともある。 また、欧州では心毒性や多量服用による死亡例の報告もあり、十分な指導、監視の元、注意をして服用させる必要がある。 国際尿失禁会議(ICI)では、「推奨グレードがC(心毒性)」と記載され、第一選択薬ではないと評価されている。3) 就寝前投与は、少量(50cc程度)の水で服用するように指導する。 抗利尿ホルモン薬、抗コリン剤併用時には相乗作用が起きやすい。 |
※効能又は効果は「遺尿症」です。
出典:河内明宏ほか:夜尿症研究10:5-13,2005:夜尿症診療のガイドラインより抜粋・一部改変
3)Tekgul.S:Incontinence:701,2009