ママを助ける「おねしょ対策」
夜尿症とは
「夜尿症」と「おねしょ」ってどう違うの?
生まれて2歳ごろまでの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。
「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。乳幼児期の夜尿を「おねしょ」といいますが、5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものは「夜尿症」と定義されています。
ときどきおねしょをしてしまう程度の子どもの比率は5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%と減少しますが、10歳児でも約5%にみられます。ごくまれに成人まで続くケースもあります。
- 夜尿症と「おねしょ」のちがい
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夜尿とは夜寝ている間に意識せずにおもらしをして、服や下着、ベット、シーツなどをぬらしたり、しめらせたりすること。
- おねしょ
- 幼児期に、夜寝ている間におもらしをする場合。(排尿に関わるメカニズムが未熟)
- 夜尿症
- 5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合。
夜尿症が子どもの心に与える影響って?
夜尿は自然に治っていく例が多いのですが、学齢期になると、夜尿のために子どもが自信をなくし、心理面や社会面、生活面に影響を及ぼすこともあります。
ある海外データでは、8~16歳の若者において、夜尿症が、両親の離別、争いに続き、3番目に強い精神的外傷をもたらす出来事としてみられました。
これらの経験は、いじめよりも悪い経験とみなされました。
お医者さんに相談してみよう
ご本人やご家族の悩みが深ければ、年齢・程度にかかわらず、医師に相談しましょう
【注】 1~2か月間、生活習慣の見直しに取り組んでも、夜尿の状況に改善がなければ、医療施設の*受診も考える(**受診しましょう)
【参考】国際小児禁制学会(ICCS)など国際的ガイドラインでは、夜尿症とは5歳以上で、夜間睡眠中の尿漏れが継続している場合とされる。
服部益治:診療と新薬 52(1):3-7,2015
※夜尿症診療ガイドライン2016では、夜尿症とは、5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くもの、と定義されています。
夜尿症にともなう精神的な影響がストレスになって、夜尿を長引かせてしまうこともあるので、年齢や夜尿の頻度を考えながら、医療施設を受診してみるとよいでしょう。
治療を継続的に行うことで、夜尿の頻度を減らせたり、治療を受けていない場合より早く夜尿から卒業しやすくなります。